インフレ指標発表を控え、ビットコイン強気派は12万2000ドル超のフィボナッチ黄金比に再挑戦 | CoinDesk JAPAN（コインデスク・ジャパン）

• ビットコイン強気派は重要なレジスタンス水準に挑戦している。価格は1.618％のフィボナッチ・エクステンションの影響を受けて12万2056ドルに達した。
• この水準の上抜けを維持できれば、14万ドルへの上昇につながる可能性があり、コールオプションには大きな建玉が存在する。
• アメリカのインフレデータでは、コアCPIが上昇すると予想されており、市場のボラティリティに影響を与える可能性がある。しかし、FRBによる利下げを阻止する可能性は低い。

ビットコインは12万2056ドル（約1770万円、1ドル145円換算）まで上昇し、2018年の弱気相場の安値と2022年の弱気相場の安値を起点にした1.618%のフィボナッチ・エクステンションを試した。この1.618%のフィボナッチ・エクステンションは金融分野で重視される数学定数である黄金比から算出された。黄金比は自然界や芸術作品でよく見られるものだが、人間心理や市場の値動きにも影響すると多くの人が考えている。

強気派がこの水準の突破を試みるのは2度目だ。先月も同じ水準を突破したが上昇は維持できず、最終的に11万2000ドルを下回る安値に反落した。

[ビットコイン（TradingView/CoinDesk）]黄金比の上抜けが維持されれば、14万ドルに向かう上昇への期待が高まる。14万ドルは、暗号資産（仮想通貨）デリバティブ取引所デリビット（Deribit）で最も人気のコールオプション行使価格だ。データソースのデリビット・メトリクス（Deribit Metrics）によると、本記事執筆時点で14万ドルのコールオプションの想定建玉は30億ドル（約4350億円）を超えている。

しかし、強気派が今回も持ちこたえられない場合は、買い圧力が不十分であることを示し、より深刻な調整につながる可能性がある。

CoinDeskのデータによれば、本記事執筆時点のビットコイン取引価格は12万2000ドルであり、アジア取引時間の序盤には12万2171ドルの高値をつけた。

アメリカのインフレ指標に注目

12日に発表されるデータは、トランプ大統領の関税の影響が7月のインフレにも及び始め、経済における物価圧力を強めたことを示すと予想されている。

ブルームバーグのエコノミスト調査によれば、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア消費者物価指数（CPI）は7月に0.3％上昇する見込みだ。6月のコアCPIは前月比0.2%の上昇だった。

バノックバーン・グローバル・フォレックス（Bannockburn Global Forex）のチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー（Marc Chandler）氏は、予想以上のインフレ率によって市場のボラティリティが高まる可能性はあるが、米連邦準備制度理事会（FRB）が9月の利下げを断念する可能性は低いと指摘した。つまり、ドル安のトレンドはCPI発表後も継続する可能性があり、これは暗号資産（仮想通貨）を含むリスク資産にとって好材料となるだろう。

チャンドラー氏は、「先週の国債借り換えは軟調だったものの、米金利は依然としてレンジ下限にあり、市場は前年比の総合CPIとコアCPIが3カ月連続で上昇する可能性に対して脆弱だと我々は考えている。発表後にドルの下落トレンドが再開する可能性があると考えている」と述べた。

同氏は、7月の弱い雇用統計がFRBによる利下げに賭ける動きを強める重要な転換点であり、ドルのトレンドに逆らった回復局面を終わらせたと説明した。

｜翻訳・編集：林理南
｜画像：CoinDesk Archives
｜原文：Bitcoin Bulls Take Another Shot at the Fibonacci Golden Ratio Above $122K as Inflation Data Looms

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