トム・リーがビットコインとイーサリアムの下落の本当の理由を語る

ソース：PortaldoBitcoin
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ここ数週間でビットコイン（(BTC)）とイーサリアム（(ETH)）を襲った大幅な調整は、直近数時間で資産価格が10%以上下落し、ベアマーケット再来の議論を再燃させました。しかし、Fundstrat共同創業者でストラテジストのトム・リー氏は、この見方は誤りだと指摘しています。

米国CNBCのインタビューで、リー氏は「市場は新たなネガティブサイクルに入ったのではなく、10月10日以降、取引所の流動性を深く揺るがした極端なテクニカルイベントの長期的影響を受けている」と語りました。

同氏によると、問題の根本は大手プラットフォームで発生したステーブルコインの価格誤表記にありました。本来1米ドル付近の価格を維持すべきこのコインが、取引所の内部フィードにおける「コードのバグ」により約0.65米ドルに表示されたのです。この誤りは急速に拡大し、複数の取引所で自動レバレッジ解消（(ADL)）メカニズムが作動、大量の連鎖的な清算を引き起こしました。

リー氏はこの出来事を重大な技術的問題と表現し、1987年の暴落を悪化させた「ポートフォリオ保険」モデルや、2008年の金融危機を招いた不適切な不動産担保評価など、伝統市場の構造的失敗と同等だと述べています。こうしたグリッチによるADL発動は「二度と起こるべきではなく」、複数のプラットフォームの価格データを参照していれば防げたはずだと指摘しました。

直接的な結果はマーケットメイカーの資本に大きな穴を開けたことです。彼らはマージンを失い、一時的に必要な速度で流動性を提供できなくなりました。この出来事以降、リー氏は「どんな下落も現実以上に激しく感じられる」と説明します。「流動性が枯渇すると、どんな下げもより痛みを伴う」と述べました。

市場の安定には時間が必要

また、再構築プロセスは瞬時に終わるものではないと強調。2022年に同様のショックが起きた際、市場が安定を取り戻すまで8週間かかりました。今回は現時点でおよそ6週間が経過しており、臨界期の終わりが近い可能性を示唆しています。

技術的な失敗に加え、リー氏はこの期間に市場操作の兆候があるとの見方にも同意しました。大口プレイヤーが先物やパーペチュアル契約を使って価格を押し下げているのではという問いに対し、彼は「同意する」とだけ答えました。

アナリストによれば、こうした動きが既存の脆弱性を増幅させてはいるものの、本質的な見立てを変えるものではありません。今回の下落は「大規模清算イベントのスローモーションな展開」であり、主要暗号資産の価値サイクルが構造的に反転したわけではないと述べました。

リー氏によれば、ビットコインとイーサリアムの長期的な投資論は揺らいでいません。 今起きているのは、バグ、巨額清算、そして一時的な流動性枯渇という異例の連鎖によるテクニカルな調整に過ぎず、暗号市場の本質的な悪化を示すものではないと強調しています。

流動性水準が通常に戻れば、価格の動きもマクロ環境や採用状況を再び反映するようになり、10月に発生した単一イベントによる歪みは解消されるはずだと述べています。