ビットコインがネットワーク価値を下回る、過去のデータでは1年の平均リターンは132%

ビットコインはネットワーク強化に基づき長期的な上昇の可能性を示している。

ビットコイン[image]BTC(の価格は10月初めから下降傾向を示し、ネットワーク価値を下回った。一部の専門家はこれを長期的な上昇のシグナルと解釈している。

ブロックチェーンメディアのデータによると、ビットコインは10月6日に記録した過去最高値12万6000ドルから約31.4%下落した。

今回の下落により、ビットコイン価格は約2年ぶりに「メトカーフ)Metcalfe(」価値基準であるネットワーク価値を下回った。メトカーフ価値はネットワークのアクティブ度やユーザー数の増加に基づきネットワークの本質的価値を推定するモデルで、「フェアバリュー」として主要なサイクル転換期の参考指標となり、過去にもビットコインの回復を正確に予測してきた。

メトカーフの法則とは、ネットワーク内のアクティブアドレスや取引数が多いほど、その価値が指数関数的に増加するという理論である。これを暗号資産市場に適用した場合、現在のビットコインはネットワーク拡大)アクティブアドレスの増加(に比べて過小評価されている状態であり、これは投機的熱狂が消えバブルがはじけたことを示唆している。

過去の事例では、2019年と2020年にビットコイン価格は長期間メトカーフ価値を下回って推移したが、その後数か月で力強く反発した。直近では2023年初頭、新たな上昇サイクルが開始されてからビットコインは340%上昇し、2024年3月には7万4000ドルの過去最高値を記録した。

経済学者ティモシー・ピーターソンは歴史データに基づき、「ビットコインがメトカーフ価値を下回って取引された後の1年リターンは平均132%、96%の確率でプラス収益を記録している」と述べている。

ビットコイン回復の可能性はネットワークのファンダメンタルズ改善傾向により強まっている。Nansenのデータによると、ビットコインを6か月以上保有する投資家数が大幅に増加し、直近7日間のビットコイン取引量は15%増の306万件となった。これは実質的な採用と利用率の高まりを示すポジティブなシグナルである。

現物市場でも買い注文の回復傾向が見られる。Glassnodeのデータによれば、買い取引量と売り取引量の差を示すビットコイン現物CVD)累積出来高差(が最近再びプラスに転じており、投資家心理が回復している。これも中長期的にポジティブなシグナルと解釈されている。