ICP 日足チャートが強気に突破、上昇率一時70%

crypto.newsによると、インターネットコンピューター（ICP）の価格は水曜日に68%急騰し、取引中に6.32ドルの高値に達した後、5.14ドルに下落した。年内高値の12.32ドルからは約58%下落しているものの、月内の安値からは76%反発しており、強い反転の勢いを示している。

この反発の主要なきっかけは、Dfinity Foundationが11月4日に発表したニュースである。AIプラットフォームのCaffeineが全面的にパブリックテストを開始し、画像およびコードプロンプト（image & code prompts）のサポートを追加したことだ。従来はテキスト入力のみだったこのプラットフォームは、多模態（multimodal）AIフレームワークにアップグレードされ、デベロッパーが直接オンチェーン上で分散型AIアプリケーションを構築できるようになった。

このアップデートは、AIとWeb3の融合エコシステムにおける実質的な進展を示し、ICPの応用範囲を拡大するとともに、市場の長期的な潜在能力に対する信頼を強化している。

マーケットデータが好調：取引量とロックアップポジションが同時に急増

市場のデータによると、ICPの24時間の取引量は170%増加した。同時に、CoinGlassによるとICPの先物の未決済建玉（Open Interest）は10%増の1億3800万ドルに達し、先物取引量は126%増の268億ドルに急増した。

これらの指標の組み合わせは、今回の上昇が短期的なきっかけとレバレッジ取引の促進によるもので、多くの投機資金が流入していることを示している。

さらに、DeFiLlamaのデータによると、ICPネットワーク上のDeFiプロトコルの総ロックアップポジション（TVL）は過去24時間で22.5%増の3790万ドルに達し、ネットワーク内のステーブルコインの時価総額は過去7日間で13.5%増の約450万ドルとなった。

これらのオンチェーン指標は、投資家のICPエコシステムに対する信頼と利用率が高まっていることを総合的に示しており、価格の反発を支える基盤となっている。

テクニカル分析：重要な抵抗レベルを突破、目標は10ドル

2024年12月に高値をつけて以来、ICPは長期的な下降トレンドにあった。今回の日足チャートの抵抗線突破は、重要な抵抗レベルが正式にサポートに転換したことを示し、数ヶ月続いた下降局面の終了を告げる可能性がある。

テクニカル指標を見ると：

• MACDの二重線は明確な強気拡大を示し、勢いが持続していることを示唆している；
• RSI（相対強弱指数）は中央線を上抜けし、買い圧力の拡大と市場のセンチメントの改善を示している。

上昇の勢いが続く場合、次のターゲットレンジは10–11ドル付近となる。このゾーンは過去の相場でも強力な抵抗となっており、これを突破できればICPは長年続いた下降楔（Falling Wedge）パターンを抜け出し、典型的な長期反転のシグナルを形成する。

サポートラインは5ドル付近で、心理的および歴史的なサポートとして重要な位置付けだ。これを割り込むと、価格は2.8ドル付近まで下落し、前回の底値サポートエリアを再テストする可能性がある。

ファンダメンタルズ：分散型AIとDfinityエコシステムの加速融合

Dfinity Foundationは、真の分散型クラウドコンピューティングネットワークの構築に取り組んでおり、デベロッパーが従来の中央集権型サービス（AWSやGoogle Cloudなど）に依存せずにWeb3アプリを運用できる環境を目指している。Caffeineプラットフォームの多模態機能のローンチにより、ICPはAIネイティブブロックチェーン（AI-native blockchain）の代表の一つとなった。

この位置付けは、Render (RNDR)やBittensor (TAO)などのAI関連のホットプロジェクトとの競争の最前線に立つことを意味している。アナリストは、エコシステムのデベロッパーの継続的な増加やDeFiのロックアップ規模の拡大により、ICPは再び2桁の価格帯に復帰し、機関投資家の資金を引きつける可能性があると見ている。

結論

インターネットコンピューター（ICP）は、長期下降抵抗線を突破したことで、テクニカルとファンダメンタルズの両面から強気のサイクルに入った。AIプラットフォームCaffeineのオープンテストと多模態サポートのアップグレードにより、市場の信頼感は著しく回復している。短期的な資金流入とオンチェーンデータの強さが維持されれば、10ドルの目標値は今後の重要な観察ポイントとなる。ただし、投資家は高レバレッジ取引による短期的な変動リスクにも警戒する必要がある。